帯は元々、外国人観光客に人気のお土産でした。

海外の方は、購入した帯をテーブルランナーにしたり、タペストリーとして壁に飾ったりして楽しんでいるようです。

私たち日本人には思いつかないような方法で、生活に彩を加えています。

gattijaも開発した商品を、ぜひ海外の方に使っていただきたいと考えています。

その思いを強くしたのは、2019年夏にパリを観光した時でした。

オペラ座の近くの、ギャラリー ラファイエットでウインドーショッピングを楽しんだ後、外に出ました。

交差点に若いパリジェンヌが3~4人、自転車にまたがって立っています。

そのうちの一人が、黒いタンクトップの上に、まっ黄色の羽織を着出したのです。

どこで購入したのでしょうか。

羽織紐がついた、正真正銘、日本の女性用の羽織です。

かなり時代物のように見えました。

現代の日本人なら、誰も袖を通さないような、彩度の高い色です。

例えるなら、熟したバナナの皮のような色でした。

私はその大胆な使い方に衝撃を受けると同時に、日本のテキスタイルの可能性を感じました。

私たち日本人は、当たり前に身近にありすぎて、その価値を忘れてしまいがちですが、

日本の着物や帯は、貴重なシルクで作られ、柄や色で季節感を表現する繊細な工芸品です。

ぜひ、もう一度、着物や帯の良さを見直していただきたいと思っています。

火事で修復中だった パリのノートルダム大聖堂 (2019年8月撮影)